Hebikuzure's Tech Memo

2014年8月8日

Internet Explorer のサポートライフサイクルが変更されます

Filed under: Internet Explorer — hebikuzure @ 3:09 午後

Stay up-to-date with Internet Explorer
http://blogs.msdn.com/b/ie/archive/2014/08/07/stay-up-to-date-with-internet-explorer.aspx


Internet Explorer のサポート ライフサイクルを変更する事が Microsoft の IEBlog で公表されています。またサポート ライフサイクルのページでも既にライフサイクルに関する記述が変更されています。

従来 Internet Explorer は Windows OS のコンポーネント (一部) として提供されるので、Windows に含まれるバージョンの Internet Explorer のサポート ライフサイクルは元の Windows のライフサイクルと同じでした。例えば Windows XP に含まれる Internet Explorer 6 のサポート終了は、Windows XP と同じ 2014年4月でしたし、Windows 7 に含まれる Internet Explorer 8 のサポート終了は Windows 7 と同じ 2020年1月の予定でした。

この方針が変更されることになり、2016年1月以降、現在リリースされているバージョンの Windows では、その Windows にインストール可能な最新版の Internet Explorer のみをサポートし、それより古いバージョンの Internet Explorer はサポートを終了するとされています。例えば Windows 7 上の Internet Explorer 8 / 9 / 10 は 2016年1月でサポートが終了します。サポート終了によって提供されなくなるのは以下の二つです。

  • セキュリティ更新を含む更新プログラムの提供
  • テクニカル サポートの提供 (有償、無償を問わず。オンライン セルフ サポートは一定期間利用可能)

サポート方針変更の理由として、IEBlog では次のような事を挙げています。

  • セキュリティの向上
    新しいバージョンの IE は古いバージョンに比べてマルウェアなどの攻撃に対する耐性が高い、多くのセキュリティ機能を搭載しています。
  • 生産性の向上
    新しい IE は古い IE に比べてレンダリングも JavaScript の実行も高速になっているので、Office 365 のような Web アプリケーションの動作が軽快になり、生産性が向上します。
  • (古いバージョンでの) 機能の欠如
    他のブラウザーの最新版や新しいバージョンの IE に搭載されている Web 標準の機能の多くが古い IE には搭載されておらず、Web サイト/Web アプリケーションの動作に互換性がありません。

こうした理由から、古いバージョンの Internet Explorer の利用をやめて、新しいバージョンに変更する事は、ユーザーにとっても Web サービスの提供者や開発者にとっても大きなメリットがあると IEBlog では述べられています。

2016年1月以降にサポートされる Internet Explorer のバージョンは、Windows のバージョンに応じて以下の表のようになります。(記載のないサービス パック レベルの Windows は、サービスパック ポリシーでサポートされないバージョンです)

Windows のバージョン

Internet Explorer のバージョン

Windows Vista SP2 Internet Explorer 9
Windows Server 2008 SP2 Internet Explorer 9
Windows 7 SP1 Internet Explorer 11
Windows Server 2008 R2 SP1 Internet Explorer 11
Windows 8.1 Internet Explorer 11
Windows Server 2012 Internet Explorer 10
Windows Server 2012 R2 Internet Explorer 11

今回の変更により、Internet Explorer 8 のサポートは 2016年1月で終了する事になり、また比較的シェアの少ない Windows Vista + IE9 の組み合わせも Windows Vista 自体のサポート ライフサイクルが 2017年4月に終了するので、その時点でサポートされる Internet Exploere は 実質的に 11 のみになります (もちろんそれまでに “Windows 9” と Intenret Exploere “12” がリリースされていれば、それもサポートされます)。これは Web 開発者にとっては大きな朗報でしょう。将来的には Internet Exploere のバージョンごとの細かな違いを吸収するためのコードであれこれ悩む必要がなくなるでしょう。

ただし企業内の IT 管理者にとっては大きな課題が発生したと言えるかもしれません。Windows XP からの移行で (私もそう言いましたし、多くのエキスパートも避けた方が良いと主張した) Windows 7 + IE8 の環境を選択した所は、それで 2020年までをまかなうつもりだった予定が一挙に崩壊です。もっとも Internet Explorer 11 には Internet Explroer 8 互換で動作する「エンタープライズ モード」が搭載されており、またエンタープライズ モード自体は Windows 7 のサポートが終わる 2020年1月までサポートされる事が今回の変更と併せて公表されています。エンタープライズ モードを利用すればほとんどの問題は解決できるでしょう。

2016年1月に向けてユーザーが取るべき行動は次のようになります。

  • コンシューマ ユーザー
    もし最新版の Internet Exploer を利用していなければ、自動更新を有効にして、Internet Explorer のインストールが推奨されたら必ずインストールしましょう。
    既に最新版の Internet Exploer を利用している場合は、何もする必要はありません。
  • エンタープライズ ユーザー
    既に最新版の Internet Exploer を利用している場合は、何もする必要はありません。
    古いバージョンの Internet Explorer を利用している場合は、エンタープライズ内で利用している Web システム/Web アプリケーションが Internet Explorer 11 で問題なく利用できるか、検証を早急に開始しましょう。問題がある場合は、エンタープライズ モードで改善できるか調査しましょう。
    エンタープライズ ユーザーやエンタープライズ内の開発者向けの互換性についての情報が、以下から得られます。

なお、前述のように 2016年1月までの間に “Windows 9” と Intenret Exploere “12” がリリースされる可能性がありますが、もし Intenret Exploere “12” がダウンレベル (Windows 7 や Windows 8.1) にも提供されるとしたら、同じポリシーが適用される事になるでしょう。ただしその場合は、サービスパック ポリシーと同様一定期間 (1~2年間) の猶予期間が設けられると考えられます。

2件のコメント »

  1. […] Internet Explorer의 지원 기간이 변경됩니다(일본어[구글번역]) : IE 지원 정책이 Windows 버전에서 설치 가능한 최신 버전의 IE 만 지원하도록 변경됐습니다. […]

    ピンバック by [JSer.info#번역] 2014-08-11 자바스크립트 주요 소식 | WIT - We are UIT — 2014年8月13日 @ 12:14 午後

  2. 関心空間 でリブログ.

    コメント by Ivarn — 2014年8月16日 @ 12:53 午後


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