この記事は “Yet Another Internet Explorer Advent Calendar 2013” の 18 日目です。
Microsoft の製品には「サポート ライフサイクル」が定められています。これは製品の出荷時点からどれだけの期間、どのようなサポートが提供されるのかを示した物で、あらかじめ定められたポリシーに従ってそれぞれの製品のサポート ライフサイクルが決められます。
ビジネス製品、開発製品、およびマルチメディア製品の場合、ライフサイクルは提供されるサポートの種類によって、製品出荷から 5 年間の「メインストリーム サポート」と、その後の 5 年間の「延長サポート」に大別されます。それぞれで提供されるサポートは以下の通りです。
サポートの種類 |
メインストリーム サポート |
延長サポート |
仕様変更/新機能のリクエスト |
〇 |
× |
セキュリティ更新プログラムの提供 |
〇 |
〇 |
セキュリティ以外の修正プログラム (バグ修正) のリクエスト |
〇 |
△ |
無償サポート |
〇 |
× |
有償サポート |
〇 |
〇 |
| 〇 : 提供されます | × : 提供されません | △ : 事前に特別なサポート契約が必要 |
延長サポートが終了すると、セキュリティ修正プログラムの提供も終了します。ただし最短でも 1 年間は以前に提供されている修正プログラムやサービスパックのダウンロードは引き続き可能で、またサポート技術情報、オンライン製品情報、オンライン サポートなど、オンライン コンテンツを参照することも可能です。
Internet Explorer は Windows のコンポーネント (一部分) として提供されるため、Internet Explorer のサポート ライフサイクルはそれがインストールされている Windows のライフサイクルに準じます。Windows 製品は「ビジネス製品」の位置づけのため、5 年間の「メインストリーム サポート」と 5 年間の「延長サポート」が利用できます。
正確には、メインストリーム サポートは製品発売後 5 年間または次期製品 (N+1) の発売後 2 年間のどちらか長い方の期間提供されます。メインストリーム サポート終了後 5 年間または次々期製品 (N+2) の発売後 2 年間のどちらか長い方の期間延長サポートが提供されます。
現在利用可能な Internet Explorer のサポート ライフサイクルは以下の通りです。
製品名 |
サポート開始日 |
メインストリーム終了日 |
延長サポート終了日 |
Microsoft Internet Explorer 6.0 | 2001/12/31 | 2009/04/14 | 2014/04/08 |
Windows Internet Explorer 7 | 2006/10/18 | 2009/04/14 *1 2012/04/10 *2 |
2014/04/08 *1 2017/04/11 *2 |
Windows Internet Explorer 8 | 2009/06/17 | ————— *1 2012/04/10 *2 2015/01/13 *3 |
2014/04/08 *1 2017/04/11 *2 2020/01/14 *3 |
Windows Internet Explorer 9 | 2011/03/15 | 2012/04/10 *2 2015/01/13 *3 |
2017/04/11 *2 2020/01/14 *3 |
Windows Internet Explorer 10 | 2012/10/30 | 2015/01/13 *3 ————— *4 |
2020/01/14 *3 ————— *4 |
Internet Explorer 11 | 2013/11/13 | 2015/01/13 *3 ————— *4 |
2020/01/14 *3 ————— *4 |
*1 : Windows XP にインストールされている場合
*2 : Windows Vista にインストールされている場合
*3 : Windows 7 にインストールされている場合
*4 : Windows 8 / 8.1 にインストールされている場合は下記参照
このように同じバージョンの Internet Explorer でもインストールされている Windows のバージョンによってサポート期間が異なるので注意が必要です。
さらに注意が必要なのは、Windows 8 / 8.1 の場合です。Windows 8 には Internet Explorer 10 が、Windows 8.1 には Internet Explorer 11 が含まれていますが、Windows 8.1 は Windows 8 に対する Service Pack と同等の扱い のため、サービス パック ポリシーが適用されます。サービス パック ポリシーは以下のような内容です。
- サービス パックがリリースされる際、その 1 つ前にリリースされたサービス パックは、製品ファミリー (たとえば、Windows、Office、サーバーまたは開発者ツール) によって異なりますが、12 か月間、または 24 か月間サポートが提供されます。
- サービス パックのサポートが終了した場合は、そのサービス パックに対する新たなセキュリティ アップデート、修正プログラム、およびその他の更新は提供されません。
Windows 製品での一つ前のサービスパックに対するサポート提供期間は 24 か月なので、Windows 8 のを利用している場合は、引き続きサポートを受けるために Windows 8.1 更新プログラムの一般公開後 24 か月以内に Windows 8.1 に移行する必要があります。したがって Windows 8 上の Internet Explorer 10 のサポートも、2015年11月には終了します。 つまり Windows 7 上の Internet Explorer 10 よりも Windows 8 上の Internet Explorer 10 の方が先にサポートが終了してしまうのです。
また Windows 8.1 上の Internet Explorer 11 についても、今後 Windows 8.1 の後継となる更新プログラムが提供され、それにより新しいバージョンの Internet Explorer が含まれていれば、同様に更新プログラムの提供から 24 か月でサポートが終了します。
このように Internet Explorer のサポート ライフサイクルは少し変則的になっており、やや分かりにくくなっているので、長期間に渡って利用するシステム動作要件を決める際には注意が必要です。
参考
・マイクロソフト サポート ライフサイクル (http://support.microsoft.com/lifecycle/)
・Windows 8.1 サポート ライフサイクル ポリシー FAQ (http://support.microsoft.com/gp/lifecycle-Windows81-faq)
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