Hebikuzure's Tech Memo

2011年3月24日

IE Blog: Web 追跡防止: 最低基準と技術革新の機会

Filed under: IE Blog — hebikuzure @ 10:01 午後

Web Tracking Protection: Minimum Standards and Opportunities to Innovate
http://blogs.msdn.com/b/ie/archive/2011/03/14/web-tracking-protection-minimum-standards-and-opportunities-to-innovate.aspx


今回もオリジナルの公開日付が前後していますが、Internet Explorer 9 の「追跡防止」 (Tracking Protection) 機能や、Fierfox 4 に搭載されている “Do Not Track” 機能などについての記事です。この辺りの機能は、有用な効果とその影響のバランスについてまだまだ成熟しているとは言えない分野なので、各ベンダー間の議論と競争でより良い形に進めばと思いますね。

以下の文章は IE Blog の 3/14 の記事 Web Tracking Protection: Minimum Standards and Opportunities to Innovate を hebikuzure が私的に試訳したものです。翻訳については Microsoft Corporation および日本マイクロソフト株式会社とは無関係に hebikuzure が公開情報に基づき独自に行ったものであり、この文書の内容についての文責は公開者である hebikuzure にあります。翻訳の内容および技術的内容については正確を期すよう十分な注意を払っておりますが、誤りや不正確な部分が含まれている可能性がありますので、本文書を利用される際には原文も併せてご確認ください。


Web 追跡防止: 最低基準と技術革新の機会

2011年3月14日 午後4時25分

この記事では、なぜ Microsoft が自主規制を強くサポートしているのか、IE9 の最終版では第二の方法としてトラッキングの拒否 (Do Not Track User Preference) をどのように実装しているのか、そしてなぜ私たちがユーザーが自分のプライバシーと安全をコントロールし続けられるような最低基準を超える機能を提供し続けているのかについて説明します。

業界の複雑さと自主規制

Microsoft は業界としてのソリューションを提案するとともに、業界の自主規制能力を強化するための外部からの提案に応えるため、オンライン プライバシーと Web 追跡防止の分野に熱心に取り組んできました。

私たちはオンライン プライバシーと広告の持つ複雑さから業界の自主規制を強く支持しています。下に掲げる業界地図には、消費者が広告付きの Web サイトを訪問した際に関与するサードパーティーが示されています。これには広告代理店、広告サーバー、データー アグリゲーターとデーター サプライヤー、広告取引市場、需要側プラットフォーム、供給側プラットフォーム、検証サービスや分析サービスの企業が含まれています:

消費者を追跡から保護するために: 第一と第二の方法

消費者を追跡やその他のオンラインでのプライバシー上の問題から保護するためには、技術的な方法及び非技術的な方法の両方が必要です。私たちはこの問題に対する私たちの技術的アプローチである追跡防止 (Tracking Protection) を W3C に提案しています。W3C ではこの領域における Web 標準のための作業の次のステップについて議論するためのワークショップを 4 月に開催する準備をしています。

追跡防止 (Tracking Protection) はユーザーを追跡から保護するための、IE9 での第一の技術的方法です。完成版の IE9 には第二の方法として、幅広く議論されてきたトラッキングの拒否 (Do Not Track User Preference – W3C への提案に示されているように、DOM プロパティーと HTTP ヘッダーのいずれからも) も実装されます。

追跡防止は追跡に利用されるコンテンツをブロックする事により、消費者にプライバシー上の選択が確実に行える手段を提供します。追跡防止は規制や法的な介入なしに、(同意した) 消費者の役に立ちます。消費者は、信頼できる組織や個人の提供する追跡防止リストを選択できます。追跡防止リストの実例はここで確認できます。オンライン業界がより優れた – 調整力のある行動が推奨されるような – 透明性を持つ事により、消費者のための追跡防止機能はさらに向上するでしょう。追跡防止リストの作者がどのコンテンツが消費者にとって好ましくない追跡を行うのか容易に識別できるようになれば、消費者に代わってそのコンテンツを対象にできるでしょう。

業界の多数が、トラッキングの拒否 (Do Not Track User Preference) の意味は曖昧であると指摘しています。例えば Wall Street Journal は以下のように伝えています:

双方向広告協会 (Interactive Advertising Bureau 訳注: IAB) は、オンライン広告主を代表して、広告主がトラッキング拒否の通知を受け取った際にどのようにすれば良いのかの “基準は現在存在しない” と語っています。“マンハッタンの真ん中で狼煙を上げるように、それは多くの注意を引くでしょう。しかし誰もそのメッセージの読み方を知らないのです” と協会の副会長 Mike Zaneis 氏は語っています。

これら二つの方法は相互補完的な物です。ユーザー選好の意味をより明確にし、また執行と検証のプロセスを実行するのにどのようなプロセスと資金が必要なのかを政府が理解できるよう、W3C のプロセスを通じてこの二つの提案を高い品位の Web 標準として完成させるべく、私たちは幅広い業界のパートナーと共に作業を進めていきます。数多くのまた幅広い提案が行われるほど、権威ある、W3C のような合意のための作業部会がより重要になります。

追跡と広告、プロファイリングは重なり合う分野ですが、同一ではない事に気を付けるのは重要です。追跡の合意された定義は、業界と政府の幅広い議論の重要な成果物です。追跡防止や幅広く議論されたトラッキングの拒否 (Do Not Track User Preference) は広告や広告コンテンツに特有の物ではありません。

最低限の標準と技術革新

私たちはどんな場合も最低限以上の事ができる余地があると信じています。トラッキングの拒否 (Do Not Track User Preference) だけでは現在のワールドワイドの多数の消費者にとって十分では無いでしょう。

消費者が自身に見合った高いレベルのオンライン プライバシー保護を利用しコントロールできるようにする事で、私たちは Internet Explorer を際立った物にしていきます。

—Dean Hachamovitch, 副社長, Internet Explorer

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