Windows 8 以降では Windows へのサインインにオンライン アカウントである Microsoft アカウントが利用できるようになり、また個人向けの Microsoft Office のライセンスも Microsoft アカウントに紐づけて管理されるようになっています。このため以前は outlook.com (昔の Hotmail)を使う場合ぐらいしか必要なかった Microsoft アカウントを取得して利用するケースが増えてきているでしょう。
それとともに、Microsoft アカウントのパスワードを忘れた、Microsoft アカウントのメールアドレス自体を忘れた、Microsoft アカウントがロックされて回復できない、といった Microsoft アカウントがらみのトラブルも良く聞きます。Windows のサインインに使っていた Microsoft アカウントが利用できないと PC が利用できず、Office のライセンスを管理していた Microsoft アカウントにサインインできないと Office の再インストールができないといった深刻な問題になります。
こうしたトラブルを防ぐために、パスワードのリセットやアカウントの回復に役立つ機能が Microsoft アカウントには用意されているのですが、あまり利用・紹介されていないものもあります。Microsoft アカウントを取得したらまず最初にこれから紹介する設定を行い、万一に備えておきましょう。
Microsoft アカウントの Web サイトにサインインする
Microsoft アカウントを作成したら、まず Microsoft アカウントのホームページにアクセスしましょう。
Microsoft アカウントを作成した場所や方法によっては、このページにアクセスする際に、アカウント作成時に登録した連絡先(メールアドレス、電話番号)へのコードの送信と入力を求められる場合があります。アカウント作成時にも一度同様のコードの送信と入力を行っているはずですので、その時と同様に進めてください。
サインインできたら、左上の [その他のアクション] をクリックして [プロフィールの編集] を選択します。
「あなたの情報」ページが開きますので、名前や生年月日、国/地域、表示言語などを適切に編集しましょう。生年月日は(通常他のユーザーに表示されないので)アカウントを回復する時の個人情報として利用できますので、正しい生年月日を入力されることをお勧めします。
連絡先情報の登録
次に連絡先情報を複数登録します。アカウントを作成した際に連絡先情報も登録していますが、1つだけだとそのメールアドレスや電話番号が利用できなくなった場合、連絡先として使える情報がなくなってしまいます。そのため連絡先情報は異なる種類のものを必ず複数登録しましょう。
連絡先情報を登録するには、まず https://account.microsoft.com/ 一番上の段の [セキュリティ] をクリックしてセキュリティのページに移動します。
このページの [セキュリティの連絡先] で [情報を更新する] をクリックします。クリックするとパスワードの再入力を求められますので、現在のパスワードを入力します。これで「セキュリティの設定」が開きます。
セキュリティ情報を追加するには、[セキュリティ情報の追加] をクリックします。
[認証の手段] では電話番号とメールアドレスが選べます。また電話番号を選んだ場合はテキスト(SMS)と電話(音声通話)が選択できます。
入力して [次へ] をクリックすると、選択した方法で入力した連絡先にコードが送信されます(電話の場合は電話がかかってきてコードが読み上げられます)。画面に入力欄が表示されるので、受け取ったコードを入力してください。
これで新しいセキュリティ情報が追加できます。アカウントがロックされた場合やパスワードを忘れてリセットしたい場合に必要となる情報なので、メールアドレスと電話の両方を、可能であれば複数登録しておきましょう。また機種変更やキャリア変更などで携帯電話番号を変更した場合、引っ越しで固定電話番号が変わった場合、職場や学校、プロバイダーの変更でのメールアドレスの変更があったら、このセキュリティ情報も必ず最新に更新しておきましょう。
回復コードの取得
コードを受け取りる通常の方法でアカウントが回復できない場合に、アカウントを回復するための「回復コード」が用意されています。回復コードは以下の方法で確認できます。
先ほどの [セキュリティの設定] 画面の下の方に「最新のセキュリティ情報に通じていますか。アカウントのセキュリティを保つための追加オプションをご覧ください。」と書かれています。ここの [追加オプション] をクリックします。
[追加のセキュリティ オプション] が開きますので、真ん中あたりの [回復用コード] の [回復用コードを置換] (または [回復用コードを取得]) をクリックします。
「新しい回復用コード」が表示されますので、印刷する、メモするなどして大切に保管してください(この画面からコピー&ペーストでメモ帳などに貼り付けた上で、印刷や保存されると良いでしょう)。また併せて [追加のセキュリティ オプション] のページの一番下に表示されている「固有 ID」も同様に印刷やメモとして保存しておきましょう。最悪の場合でも固有 ID と回復コードがあれば、アカウントが回復できる可能性がぐんと高くなります(この二つだけで回復できるかどうかは未確認)。
クレジットカードの登録
最後にもう一つ、支払情報としてクレジットカードを登録しておきましょう。これも本人確認ができる情報なので、アカウントの回復に役立つ場合があります。
クレジットカードを登録するには https://account.microsoft.com/ 一番上の段の [支払いと請求] をクリックして [支払いオプション] を選択します。
[支払いオプションの追加] をクリックして、クレジットカードを登録してください。
最新情報への更新
このようにセキュリティ情報を追加し、回復コードを取得し、クレジットカードを登録しておけば万一パスワードを忘れたり、アカウントがロックされた場合でもその対処がスムーズに行えます。しかしこれらの情報が更新されず古くなっていたら、それでは役に立ちません。実際のトラブルでもセキュリティの連絡先として登録していたメールアドレスや電話番号が利用できなくなっていて、コードが受け取れずパスワードのリセットやアカウントの回復ができないというケースが少なくありません。
複数の情報を登録しておけば、そのすべてが使えなくなる可能性は低くなりますが、それでも長期間放っておけばどれも古くなってしまうリスクがあります。年に1度など定期的に情報を見直して、常に利用可能な連絡先やカード情報は登録されているようにしましょう。