Hebikuzure's Tech Memo

2014年12月18日

Internet Explorer とエンタープライズと HTML5

Filed under: Internet Explorer — hebikuzure @ 7:54 PM


この記事は HTML5 Advent Calendar 2014 の 18日目の記事として投稿しています。
Internet Explorer をターゲット ブラウザーとして開発されるようなエンタープライズ環境の Web システム / Web アプリケーションで HTML5 対応はどのように進められるのか、を考えてみました。


「HTML5」というキーワードが多くの人の話題に上るようになってもうずいぶん経ちます。今年は W3C の Recommendation にもなり、ある意味もはや「枯れた技術」化してきているのかもしれません。とは言え、HTML5 の仕様で実現できる機能をフルに使った Web サイト / Web アプリケーションからは程遠い世界もまだまだ世の中には少なくありません。その代表的なものとしてよく挙げられるのは、企業内 (エンタープライズ) 、特に日本のエンタープライズ環境があります。どうしてそうなのかと言えば、これはひとえに Internet Explorer の存在が大きいと言えるでしょう。Internet Explorer は Windows に標準コンポーネントとして含まれるため別途ライセンスやサポートの契約をする必要もありませんし、導入も Windows と一緒にできる、運用管理も Windows の Active Directory や System Center を利用して他の機能と一体的に行える、当然運用・保守・サポートの面倒を見てくれる SIer も多い (というかレベルはともかくできない所はまずない) ……とエンタープライズには都合の良い事が少なくなかったため、多くの場合「業務上の標準ブラウザー」として利用されてきました。

そのためエンタープライズの (イントラネットやエクストラネット) の Web システム / Web アプリケーションは Internet Explorer をターゲット ブラウザーとして開発されました。その傾向は、Netscape Navigator のシェアが急落した 1990 年代末から、Firefox や Chrome が信頼するに足るブラウザーとしての評価を確立する 2010 年頃までの間、特に顕著だったと言えるでしょう。そして非常に不幸な事に、それ以降の時期は日本のエンタープライズでは色々な事情で IT 投資が抑制される傾向にあり、Internet Explorer (特に Internet Explorer 6) をターゲットにした Web システム / Web アプリケーションは現時点でも延命している物が非常に多くなっています。

ところがそうした保守的な (特に日本の) エンタープライズの思惑とは異なり、Microsoft は Internet Explorer の開発方針を転換していきます。Windows Vista に含まれた Internet Explorer 7、Windows 7 に含まれた Internet Explorer 8 までは (タブ ブラウズなどの) 一定の機能強化は行うものの基本仕様は大きく変更されていません。しかしその後、Internet Explorer 9 の開発で方針が大きく変わります。世の中で言えば iPhone がヒットして、Android もそれに続き、(Windows Mobile などで Microsoft がやろうとしてもなかなか実現しなかった) モバイル デバイスの普及が大きく進み、当然そうしたモバイル デバイスからの Web アクセスが急増し、PC の世界でも Chrome や Firefox のシェアが増え、そして Web の新しいテクノロジーについて HTML5 を含めて標準化の機運が大きく盛り上がっていたタイミングです。

Internet Explorer 9 では、技術的な課題として「相互運用性 (interoperability)」が大きく取り上げられます (もちろんそれ以外にパフォーマンスや堅牢性、セキュリティも大きな課題でしたが)。そこでの「相互運用」の対象となるのは当然 Chrome や Firefox や Safari といった他のブラウザーであり、HTML5 を始めとする Web 標準です。IEBlog に "Web standards" や "interoperability" というキーワードが頻繁に登場するようになるのもこの頃からです。実際に 2011 年 3 月にリリースされた Internet Explorer 9 は HTMLのレンダリングや CSS の解釈、JavaScript の動作などでそれまでのバージョンとの後方互換性より、Web 標準に基づく相互運用性に重きが置かれた作りになりました。また今までの例とは異なり Windows に含まれない独立したバージョンとなったのも、Microsoft の意欲をうかがわせています。

その方向性はその後の Internet Explorer 10 (Windows 8 の標準ブラウザー)、Internet Explore 11 (Windows 8.1 の標準ブラウザー) でも加速されており、Web 標準に沿った動作は他のブラウザーとの相互運用性がより高くなっています

このように Microsoft は Internet Explorer を他のブラウザーと同等に動作し機能する Modern ブラウザーとして強化していく方向であるのに対して、先に述べたような古い Web システム / Web アプリケーションを延命させているようなエンタープライズではそうした方向は歓迎されていないようにも見えます。Internet Explorer のバージョンが更新されるごとに、動かなくなる Web システム / Web アプリケーションが発生し、それにどう対処させるのか苦慮している所は確かに少なくないでしょう。

(後ほど続きを書きます)

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2014年12月11日

12月の Office 更新プログラムインストール後、VBA でエラーが発生する

Filed under: Microsoft Office — hebikuzure @ 5:02 PM

2014年12月にリリースされた Office の更新プログラム MS14-082 をインストールした後、例えばマクロが有効な Excel ブックを開いた時に「Microsoft Visual Basic」の実行時エラーダイアログが表示され、シート上に挿入されているコントロールが操作できない状態になる場合があります。

手元ではエラーが発生しなかったので、どのようなエラー ダイアログが出るのか確認したい方は「山市良のえぬなんとかわーるど」の記事を参照してください

この現象は、次のようなシナリオで発生します。

  1. シートにフォームのコントロールを挿入した Excel ブックを作成します
  2. フォームのコントロールが挿入されると、コントロールのモジュール (MSForms、プログラム名としては fm20.dll) が呼び出されます
  3. 次回の挿入に備えてコントロールのモジュールのキャッシュが作成されます。このキャッシュは %temp%\Excel8.0 フォルダーに、拡張子 .exd で作成されます
  4. 更新プログラム MS14-082 をインストールすると、MSForms (fm20.dll) が更新されます。しかし作成済みのフォームのキャッシュは削除も更新もされません
  5. MSForms のコントロールを操作する VBA が呼び出されると、実際のコントロール (更新済み) とキャッシュ (未更新) の間でバージョン不整合となり、エラーが発生します

回避策

コントロールのキャッシュは手動で安全に削除する事ができるので、フォームを利用できる Office アプリケーションをすべて終了してから .exd ファイルを削除すれば、問題は回避できます。以下の手順で削除してください。また更新プログラムのインストール前に事前にこの手順を行っておくことで、エラーの発生を予防できます。

  1. フォームを利用できる Office アプリケーションをすべて終了します。またはコンピューターを一度再起動します
  2. [Win キー] + R で [ファイル名を指定して実行] を呼び出します
  3. [名前] ボックスに %temp% と入力して [OK] をクリックします
  4. %USERPROFILE%\AppData\Local\Temp\ フォルダーが開くので、Excel8.0 フォルダーを探します
  5. 見つかったら Excel8.0 フォルダーを開き、その中のファイルをすべて削除します (Excel8.0 フォルダーごと削除しても問題ありません)

参考

2014年11月30日

Internet Explorer の古いバージョン (IE9/10) をダウンロードする方法

Filed under: Internet Explorer — hebikuzure @ 4:29 PM

以前にも紹介したように、Internet Explorer のサポート ライフサイクルが変更され、2016年 1月12日以降、最新バージョン以外の Internet Explorer のサポートが終了します。その関係だと考えられますが、Windows 7 用や Windows Server 2008 R2 用の Internet Explorer 9 /10 のインストール パッケージを入手しようとしても、通常の Internet Explorer の Web サイトダウンロード センターでは見つからなくなっています。

開発段階での互換性検証や動作確認であれば modern.IE にある仮想マシンを利用するなどの方法がありますが、例えば既存のクライアント マシンのリプレースで他のマシンと揃えるために敢て古い Internet Explorer をインストールしなければならない場合など、ローカル マシンに直接インストールしたい場合もあるでしょう。そのような場合、Microsoft Update カタログを利用すると、古いバージョンの Internet Explroer を入手することができます。

手順は以下の通りです。

  1. Microsoft Update サイト (https://catalog.update.microsoft.com/v7/site/Home.aspx) を開きます
    ※ Internet Explorer 11 で Microsoft Update サイトにアクセスすると、機能が正しく利用できない場合があります。Internet Explorer 8 で正常に利用できることを確認していますので、必要に応じて新しいバージョンの IE のアンインストールを行ってから、Microsoft Update サイトにアクセスしてください。
  2. Microsoft Update サイトにはじめてアクセスする場合、アドオンのインストール (または実行の許可) を求められますので、インストールまたは許可をします
  3. [検索]ボックスに "Internet Explorer 9" などと入力します
    キャプチャ
  4. 検索を実行すると、検索結果の中に「Windows 7 用 Windows Internet Explorer 9」など、目的のインストーラーが見つかります。
    キャプチャ
    「Internet Explorer 9」で検索した結果の一部

    キャプチャ
    「Internet Explorer 10」で検索した結果の一部

  5. 入手したいバージョンのインストーラーの行で右側にある [追加] ボタンをクリックします
  6. [バスケットの表示] の後ろに追加したプログラムの数が表示されるので、[バスケットの表示] をクリックします
    キャプチャ
  7. 選択してバスケットに入っているプログラムが一覧表示されます。[ダウンロード] をクリックします
    キャプチャ
  8. [ダウンロード オプション] が表示されます。[参照] をクリックしてダウンロードする場所 (フォルダー) を選択し、[続行] をクリックします
    キャプチャ
    ※ここではデスクトップを指定しています
  9. [ライセンス条項] が表示されますので、[同意します] をクリックします
  10. ダウンロードの進行状況が表示されます。完了するまで待ちます
    キャプチャ

    完了したら [閉じる] をクリックします
    8e637e458393

  11. 指定した場所にフォルダが作成され、その中にプログラムがダウンロードされています
    キャプチャ
    ※言語パックも一緒にダウンロードされました

2014年11月20日

X-UA-Compatible の利用方法

Filed under: Internet Explorer — hebikuzure @ 11:15 PM

How to Use X-UA-Compatible
https://www.modern.ie/en-us/performance/how-to-use-x-ua-compatible


一つ前の投稿で、次期 Internet Explorer では X-UA-Compatible によるドキュメント モードのの指定が無効になることを紹介しましたが、mdern.IE のコンテンツでその X-UA-Compatible の利用方法についての記事がありましたので、私訳して紹介しておきます。


X-UA-Compatible の利用方法

Internet Explorer では X-UA-Compatible META タグまたは HTTP ヘッダーを利用して、どのバージョンの描画エンジンでページをレンダリングするかを指定できます。特定のバージョンを指定することも、’IE=edge’ という値を指定して最新のバージョンを指定することもできます。この互換モードの背景となっている考え方は、モダンな標準に対応していない Web サイトやアプリケーションを改修するまでの間も継続して動作させようということと、ユーザーが最新のバージョンのブラウザーにアップグレードできるようにしようということです。

特定のバージョンの互換モードを指定するための最も一般的な方法は、ページの先頭に X-UA-Compatible META タグを挿入することです。これには http-equiv META を利用し、"X-UA-Compatible" 値と content で IE のバージョンを指定します。パーションを ‘IE=edge’ に設定すると、Internet Explorer に最新のエンジンでページをレンダリングし JavaScript を実行するよう指定したことになります。

<meta http-equiv="X-UA-Compatible" content="IE=edge">

‘IE=edge’ を指定することは最善の方法です。なぜならこれにより Internet Explorer が常に最新のエンジンを利用することが保証されるからです。最新の Internet Explorer には最新のセキュリティ更新と新機能のサポートが含まれています。また最新のバージョンはもっとも高速なバージョンでもあります。

何らかの理由で Web サイトやアプリケーションが最新の標準準拠の動作では問題を生じる場合、以前のバージョンの Internet Explroer を指定することもできます。例えば、アプリケーションがイベント ハンドラーをバインドするのに addEventListener ではなく attachEvent を利用している場合、アプリケーションを改修するまでの間 ‘IE=8’ を指定すればよいでしょう。こうした JavaScript のエラーは F12 開発者ツールのコンソールで確認できるでしょう。ただしこのような問題を残しておくのはアプリケーションにとって決して最善の方法ではありません。アプリケーションがWeb 標準の進歩から大きく取り残されてしまう危険を孕んでいます。こうした互換性は将来にわたってサポートされると思うかもしれませんが、最終的には古いバージョンへのサポートは打ち切られます。

X-UA-Compatible_500x164

もし X-UA-Compatible META タグを利用するのであれば、ページの HEAD タグの中のできるだけ最上部に配置した方が良いでしょう。Internet Explorer はマークアップの解釈をまず最新のバージョンのエンジンを使って開始します。Internet Explorer は X-UA-Compatible META タグを見つけると、指定されているバージョンのエンジンを使ってやり直します。この動作はブラウザーがコンテンツの解析を中止してやり直すためパフォーマンスに影響します。

よりよい方法は X-UA-Compatible HTTP ヘッダーです。Internet Explorer がコンテンツの解析を開始する前にどのエンジンを利用すればよいか指定するため、応答ヘッダーにディレクティブを追加できます。これは Web サイトのサーバーを構成する必要があります。Internet Information Server では管理コンソールでカスタム HTTP ヘッダーを追加することができます。

また ASP.NET の web.config でカスタム HTTP ヘッダーを追加することもできます。

<configuration>
   <system.webServer>
      <httpProtocol>
         <customHeaders>
            <add name="X-UA-Compatible" value="IE=edge" />
         </customHeaders>
      </httpProtocol>
   </system.webServer>
</configuration>

HTTP ヘッダーは Web アプリケーションのコードでアプリケーションからのレスポンスに追加することもできます。ASP.NET では、AddHeader メソッドを使ってレスポンスにカスタム ヘッダーを追加できます。次のコードはプログラムで X-UA-Compatible ヘッダーを追加する方法を示しています。

HttpContext.Response.AddHeader("X-UA-Compatible", "IE=edge");

X-UA-Compatible は、サイトが最新の標準と互換性が無い場合に、Internet Explorer に以前のバージョンのエンジンの利用を強いるための非常に役立つ指定です。また IE に以前のバージョンの動作を指定できるとは言っても、古いバージョンでのテストは行うべきです。互換モードを実際のバージョンと混同してはなりません。アプリケーションが以前のバージョンでのテストを必要としているのであれば、無料の仮想マシンが Mordern.ie で利用可能です。他にも Modern.ie では、一般的な互換性の問題を識別するための、無料のサイト検査も利用できます。

Web アプリケーションの更新を怠ることの言い訳として、アプリケーションを X-UA-Compatible に依存させてはいけません。細目な更新をすれば単純な変更でアプリケーションの寿命を数年延長できます。X-UA-Compatible による指定は、アプリケーションを更新するまでの間、最新の Internet Explorer で動作させるためのツールです。

2014年11月18日

徐々に明らかになる次期 Internet Explorer の新機能

Filed under: Internet Explorer — hebikuzure @ 6:37 PM

Living on the Edge – our next step in helping the web just work
http://blogs.msdn.com/b/ie/archive/2014/11/11/living-on-the-edge-our-next-step-in-interoperability.aspx


11月のセキュリティ更新の公開と時を同じくして、Windows 10 Technical Preview新しいビルド (Build 9879) もリリースされました。このビルドに含まれている Internet Explorer では次期バージョンで実現されるさまざまな変更や新機能の一部が盛り込まれています。それらについて簡単にまとめてみました。

"living" Edge ドキュメント モード

この変更は多くの Web サイト / Web アプリケーションの運営者・開発者にとって影響が大きいでしょう。既に Internet Explorer 11 以降「ドキュメント モード」は非推奨とされていましたが、次期バージョンでは公開されているインターネットのサイト (インターネット ゾーンのサイト) はすべて Edge モード (Internet Explorer の最新のモード) でレンダリングされるようになり、サーバー ヘッダーや meta タグの X-UA-Compatible は無視されます。

例外としてドキュメント モードが有効になるのは以下の場合です

  • イントラネット ゾーンのサイト
  • Microsoft から提供されている「互換表示リスト」(CV List) で指定されている場合
  • Enterprise Mode で指定されている場合

3番目の Enterprise Mode で指定されている場合というのは一つ前の記事で紹介した、Enterprise Mode Site List Manager ツールを利用したドキュメント モードの指定の事です。

この変更に対応するため、現在 X-UA-Compatible を利用してドキュメント モードを指定して動作させているインターネット上に公開している Web サイト / Web アプリケーションは、次期バージョンのリリース (2015年後半??) までに、最新の Internet Explorer のネイティブなモード = Edge モードで動作するよう、サイト / アプリケーションの動作確認を行い適切な改修を行う必要があるでしょう。特に注意が必要なのは、さまざまな方法でブラウザーの種別判定を行い、Internet Explorer には X-UA-Compatible を利用してドキュメント モードを指定したページを返しているようなサイトです。こうしたサイトでは、Internet Explorer も Chrome や Firefox と同様に扱い、どのブラウザーにも可能な限り単一のページを返すようにするべきでしょう。

新しい機能

Build 9879 の Internet Explorer では、status.modern.ie で In Development となっていた機能のいくつかが初期的に実装されています。

実験的機能 (Experimental Features)

アドレス バーに about:flags と入力することで、実験的機能の設定ページを呼び出せるようになりました。現在利用可能な設定は次のスクリーンショットのように 3 つだけです。

キャプチャ

この内「Enable Experimental Web Platform Features」は、新しく追加される機能をどの程度有効にするか設定するものです。Edge モード (新しい IE のネイティブ モード) にはこれから多数の変更が追加されていくのですが、すべての変更をすべての Windows 10 Technical Preview ユーザーに同時に適用するのではなく、無作為に選ばれた一部のユーザーに徐々にロールアウトする予定とされています。この設定を Automatic にすればその徐々にロールアウトするスケジュールに則って適用されます。Enabled にすると、追加された新機能はすぐに利用可能になります。これは新機能を一刻も早くテストしたい開発者や管理者向けの設定です。Disabled にすると新機能は適用されず、IE11 互換の動作となります。

フィードバック

新しいバージョンの Internet Explorer へのフィードバックは、ツールバーの Smile マークから送信できます。

キャプチャ

ただし現在のバージョンで Send a frown でフィードバックを送信すると、フィードバックが HTTP で送信されるようです。フィードバックにはユーザーの電子メールアドレスや閲覧中のページの URL が (ページを HTTPS でアクセスしていた場合でも) 含まれるので、場合によっては適切でない情報の漏洩に繋がる可能性があるので要注意です。

2014年11月13日

IE11 の「エンタープライズ モード」の新機能 – ドキュメント モードの指定

Filed under: Internet Explorer — hebikuzure @ 9:32 PM


Announcing improvements to the Enterprise Mode Site List
http://blogs.msdn.com/b/ie/archive/2014/11/11/announcing-improvements-to-the-enterprise-mode-site-list.aspx


Internet Explorer 11 の「エンタープライズ モード」は企業や組織の管理者がグループ ポリシーを通じて特定のサイトやユーザーが指定したサイトを Internet Explorer 8 互換モードで動作させることができるモードで、2014年4月の更新で新たに追加された機能です。このモードに、2014年11月の更新 (セキュリティ更新プログラム MS14-065) で新たな機能が追加されてたことが IEBlog で解説されています。

新しい機能は、Enterprise Mode Site List Manager ツールを使って作成した一覧をクライアントに提供する場合、サイトの表示方法で従来の "Default Mode" (IE11 の既定のモード) と "Enterprise Mode" (IE8 互換) に加えて、IE10 / IE9 / IE8 / IE7 / IE5 のドキュメント モードでの表示も選択できるようにするものです。これにより、エンタープライズ モードでも正しく動作させることができなかったサイトについて、管理者が一括してそのサイトを特定のドキュメント モードで表示させることができるようになります。

企業・組織内の管理者は、IE11 の標準モード (Edge モード) でもエンタープライズ モードでも正しく表示できないサイトについて、F12 開発者ツールを利用して正しく動作するドキュメント モードを確認し、そのモードを一覧に登録することで、企業・組織内のユーザーがページに適切に表示されるようにすることが可能です。またこの新機能に合せて、Enterprise Mode Site List Manager ツールも更新されていますので、古いバージョンを利用している方は新しい物に入れ替えてください。

ドキュメント モードの詳細については、TechNet の「ドキュメント互換性の定義」や川田さんのブログを参照してください。

なおドキュメント モードとエンタープライズ モードの違いは、エンタープライズ モードは Internet Explorer 全体の動作を IE8 にエミュレートするエンタープライズ モードに対して、ドキュメント モードではページのレンダリングで特定のバージョンの IE と同等になるようエミュレートするものです。つまり Enterprise Mode Site List Manager ツールを使って特定のドキュメント モードを指定しておくと、そのサイトのページはあたかも X-UA-Compatible meta タグや HTTP ヘッダーでドキュメント モードが指定されていたかのように、指定のドキュメント モードで表示されます。またページに最初から X-UA-Compatible meta タグや HTTP ヘッダーでドキュメント モードが指定されており、ツールでの指定がそれと異なるドキュメント モードだった場合は、ユーザーにページの指定をオーバーライドして良いか確認すると IEBlog には書かれています (まだ手元では動作未確認)。

具体的な指定方法ですが、まず以前に紹介したようにグループ ポリシーで [エンタープライズ モード IE の Web サイト一覧を使用する] を有効にし、一覧の参照場所 (http スキームで参照できる場所) を指定します。次に更新された Enterprise Mode Site List Manager ツールを利用して、エンタープライズモードやドキュメント モードを指定するサイトの一覧を作成します。

無題

Edge Mode は IE11 のネイティブなモード、Enterprise Mode は IE8 エミュレート、その他は IE11 でのそれぞれのドキュメント モードによる互換表示です。

無題2

作成した一覧を XML ファイルとして保存し ([File] – [Save to XML])、保存したファイルをポリシーで指定した参照場所に配置します。細かな手順は過去記事の「IE11 の新機能 – エンタープライズ モード 」や TechNet の記事「Enterprise Mode Site List Manager ツール」を参照してください。

さて、この新機能ですが、考えようによってはもう IE10 や IE11 のシェアが高くなっており、古いドキュメント モードでないと動作しないようなサイトで X-UA-Compatible の提供もしていない (つまりそのままでは新しい IE で正しく表示されない) ような所はほとんど無さそうで、今更こういう機能を付けて何か大きなメリットがあるのだろうか、と疑問に思う方もいるでしょう。実はこの機能は現行の Internet Explorer 11 について重要と言うより、次のバージョンの Internet Explorer で重大な意味を持ちます。IEBlog の新しい記事「Living on the Edge – our next step in helping the web just work」によると、次期バージョンの Internet Exploer では現在のドキュメント モードの非推奨をさらに進めて、公開されているインターネット上のサイトはすべて X-UA-Compatible を無視し、新しい Edge モード (最新バージョンのネイティブなモード) で表示されるようになります。ドキュメント モードはイントラネットのサイト、互換表示リスト (CV リスト) での指定、そしてこのエンタープライズ モードでの指定を除き、利用されなくなります。

次期 IE での変更点についてはこの後で別記事でも投稿する予定です。

これでこの機能の重要性が理解できるでしょう。企業・組織内の管理者は、次期バージョンの Internet Explorer に備えて、(サイト側がそれまでにモダン ブラウザー対応できなかった場合への保険として) エンタープライズ モードを展開し、ユーザーが業務上利用するサイトのそれぞれで適切なドキュメントモードを指定しておく必要があります。また X-UA-Compatible を無視する新しい Internet Explorer の動作は最新の Windows 10 Preview に実装されていますので、そちらでの動作検証も進めていく必要があるでしょう。

なお、2014年11月の更新 (セキュリティ更新プログラム MS14-065) ではこの新機能の他に、以下の変更が行われています。

  • Windows Vista SP2 と Windows Server 2008 SP2 用の IE9 での古い ActiveX コントロールのブロック機能の追加
  • バージョン 5.1.30514.0 未満の Silverlight ActiveX コントロールのブロック開始

2014年10月15日

11月の更新で古い Silverlight ActiveX のブロック開始

Filed under: Internet Explorer — hebikuzure @ 8:45 PM


October 2014 updates and a preview of changes to out-of-date ActiveX control blocking
http://blogs.msdn.com/b/ie/archive/2014/10/14/october-2014-updates-and-a-preview-of-changes-to-out-of-date-activex-control-blocking.aspx


8月に「Internet Explorer で古いActiveX のブロックを開始」という記事を投稿して、古い Java の ActiveX が 9月からブロックされる事についてお知らせしていましたが、11月の Windows Update での更新で古い Silverlight の ActiveX が次のブロック対象となる事か公開されています。対象となる Silverlight のバージョンは、5.1.30514.0 未満です。

日本では Silverlight が GYAO のような動画配信サイトで良く利用されていて、インストールされているコンシューマ PC の数も多いはずです。エンタープライズ環境であれば、前の記事でも書いたようにグループ ポリシーでブロックを無効にすることができますが、コンシューマ環境ではブロックを解除するのはちょっと難しいので、結構多くの人が影響を受けるのではないかと予測されます。

基本的には最新版の Silverlight に更新する事がお勧めですが、どうしても最新版への更新ができない (更新自体がエラーなどでできない、または何らかの理由で更新したくない) 場合は、Microsoft のサポート(Answer Desk) や専門のサポート業者など、専門家に相談される事を強くお勧めします。

2014年10月4日

Windows 10 Technical Preview をインストールしてみた

Filed under: Windows Info — hebikuzure @ 11:42 AM


Windows Technical Preview – Microsoft Windows
http://windows.microsoft.com/ja-jp/windows/preview


次期バージョンの Windows である「Windows 10」のプレリリース版「Windows 10 Technical Preview」が公開されました。
※現時点では日本語版はまだ公開されていません。英語版を利用しています。

早速ダウンロードして、Windows 8.1 Enterprise の Hypre-V 上にインストールしてみました。

W10

「スタート メニュー復活」が話題になっていますが、スクリーンショットのようにスタート ボタンをクリックすると Windows 7 風のメニューが表示されます。ただし Windows 7 やそれ以前のどのバージョンのスタート メニューとも同じではありません。左側の列は Windows 7 のスタート メニューの右列の内容 (ドキュメントなど固定されている項目) + Windows 7 のスタート メニューの左列の内容 (よくつかうプログラム、スタートメニューにピン留めしたプログラム) になっています。そして右側には Windows 8 スタイルのスタート メニューと同じアプリのタイルが表示されます。もちろん表示するタイルの内容やサイズは Windows 8.1 と同様にカスタマイズできます。

「スタート メニュー復活希望」を熱く語っていた人にとって、この新しいスタート メニューが望んでいたものかどうかは微妙ですが、Windows 7 以前のスタート メニューの流儀を引き継ぎつつ、Windows 8 の良い所も継承したと考える事ができそうです。

一方で「Windows 8 / 8.1 のスタート画面が良かった」と考える人もいるでしょう。そういう場合も安心してください。Windows 8.1 と同じスタート画面を利用することも可能です。Windows 8.1 スタイルに戻すには、以下の設定を変更します。

  1. タスクバーを右クリックして [Properties] をクリックして、[Taskbar and Start Menu Properties] を開きます
  2. [Start Menu] タブを開き、[Use the Start menu insted of the Start screen] のチェックを外します
    W10_3
  3. [OK] でプロパティを閉じると、サインアウトを促されるので、サインアウトしてサインインしなおします

これで次のようにスタート画面が表示されるようになります。

W10_2

Windows 10 は現在 Windows 7 を利用している多くのユーザー、特に企業ユーザーの移行先として期待されているだけに、Windows 7 ユーザーの慣れや習慣と、Windows 8 ユーザーが支持している新しい操作性の両面に配慮した作りになっていると考えられます。

なお Windows 10 Technical Preview は以前の Windows (Vista や 7) で提供されたプレリリース版よりも開発の早い段階から提供されており、以前のプリリリース版ではバグ確認が主な目的だったのと異なって、現在の Technical Preview の仕様 (ユーザー インターフェイスを含めて) についてもユーザー フィードバックを反映して変更される可能性があるとの事です。Windows 10 Technical Preview を利用してみておかしいと思う所、使いにくいと感じる所があれば、ぜひフィードバックしましょう。

Windows 10 Technical Preview はテストと評価のために公開されているプレリリース版 (製品の完成前の段階で公開される評価版) です。Windows のインストールやアップグレード、トラブル シュートについて十分な知識とスキルを持っている人が対象となっています。何か問題があっても解決のためのサポートは Microsoft からは提供されません (フォーラム ベースでの相談のみ可能です – 現時点でフォーラムも英語版だけです)。
業務でも個人的利用でも、主に利用している PC へのインストールは (相当に自身と覚悟のある人以外は) 避けるべきでしょう。また評価版のため使用期限がありますので、元の Windows に復元できるようバックアップや回復メディアをインストール前に作成しておきましょう。

2014年9月28日

Android 版の Microsoft Remote Desktop で Microsoft Azure の仮想マシンに接続する

Filed under: Windows Tips — hebikuzure @ 8:23 PM

Microsoft では Android 用のリモート デスクトップ クライアントをリリースしています。

流石にスマートフォンで利用するには画面が小さすぎるのでしょうが、Android タブレットであればそこそこ使えるので、ちょっとだけ何か設定を確認したいとか、PC でのみ送受信しているアカウントのメールチェックをしたいというような時に、LAN 内の PC に接続して利用しています。このように同一の LAN 内の PC に直接 RDP 接続する場合はその PC のホスト名 (ちゃんと名前解決できる場合) か IP アドレスを設定するだけで、Windows に含まれているリモート デスクトップ クライアントと同じようにサーバーに接続できます。

そこで Microsoft Azure 上の仮想マシンにもリモート デスクトップ接続してみたいと思い、設定してみた所うまく利用できましたので、その設定方法をメモ代わりに書き留めておきたいと思います。

  1. まず PC で Azure 管理コンソールで接続したい仮想マシンを起動しておき、[接続] をクリックます。これで仮想マシンに接続するための .rdp ファイルがダウンロードされるので、開かないでどこか分かりやすい所にダウンロードしておきます。
  2. ダウンロードした .rdp ファイルをエディターなどで開くと
    full address:s:hogehoge.cloudapp.net:64050
    のような行があります (hogehoge は仮想マシンのホスト名で、hogehoge.cloudapp.net が FQDN になります)。この情報を控えておきます。
  3. Android デバイスで Microsoft Remote Desktop を起動して、右側の項目から "Remote Desktops" を選択し、右上の「+」印をクリックして新規の接続設定を開始します
  4. 次のような画面が表示されるので、順に設定していきます
    01
  5. "Connection Name" は表示名です。分かりやすい名前を付けておくと良いでしょう。
  6. "PC Name" には接続する仮想マシンのホスト名とポート番号を指定します。
    具体的には、「2.」で確認した接続したい仮想マシンの FQDN とポート番号を「FQDN:ポート番号」の形式で入力します。
    先ほどの例であれば
    hogehoge.cloudapp.net:64050
    となります。
  7. "Gateway" には RD Gateway を指定します。
    Azure 上の仮想マシンに RD Gateway 経由での接続が必要な場合は、入力欄をタップして指定を開始します。
    指定する Gateway の選択が表示されたら、"Add gateway" を選択します。Gateway の設定は後ほど説明します。
    RD Gateway 経由が必要かどうか不明な場合は、指定せず接続できるか試してみましょう。接続できないようであれば、下記の方法で RD Gateway を構成してください。
  8. "CREDENTIALS" には仮想マシンにログオンするための資格情報 (ユーザー名とパスワード) を入力しておきます。
    省略すると、接続時に資格情報を求められます。
  9. "Done" をタップすれば設定は完了です。

RD Gateway の設定は以下のように行います。

  1. "Gateway" で "Add gateway" を選択すると、次のような画面が表示されます。
    02
  2. "Gateway name" は表示名です。分かりやすい名前を付けておくと良いでしょう。
  3. "Server" に RD Gateway の URL を入力します。
    RD Gateway の URL は
    https://(上の手順の「2.」で確認した仮想マシンの FQDN):(ポート番号)になります。
    先ほどの例であれば
    https://hogehoge.cloudapp.net:64050/
    となります。
  4. "CREDENTIALS" には「8.」で指定したのと同じ資格情報を指定しておきます。
  5. "Done" をタップすれば設定は完了です。

作成した接続をタップすれば、リモート デスクトップ接続が開始されます。PC のリモート デスクトップ クライアントでの接続と同様にサーバーの証明書に関する警告が表示される場合がありますが、[Trust Once」(今回だけ信頼) か「Trust Always」(今後常に信頼) を選択すれば、接続が進行します。

Remote Desktop Client の利用方法については以下を参照してください。

※ (2014/9/29 追記) RD Gateway の設定は必須でないことが確認できましたので、その部分を訂正しています。

2014年9月3日

停止していた 8 月の更新プログラムの提供が再開されています

Filed under: Windows Info — hebikuzure @ 3:08 PM


Microsoft が Windows に提供している更新プログラムで、8月に公開された以下の更新プログラムをインストールすると、その後 Windows の起動に失敗する現象が発生するトラブルが起きていました。そのためこれらの更新プログラムは Windows Update からの配信を一時停止されていました。

この問題については、8月28日に MS14-045 が更新され、問題の原因となっていたモジュール (Win32k.sys) が置き換えられました。この新しい Win32k.sys が最新版になるので、これがインストールされていれば他の更新プログラムで Win32k.sys が問題の起きるバージョンに戻ってしまう事はありません。

そのため、残りの 3 つの更新プログラムについても、9月2日 (たぶん米国時間) から Windows Update での配信が再開されています。更新された MS14-045 は以下の技術情報で公開されています。

まずこの新しい MS14-045 (KB2993651) が公開後から Windows Update で配信されています。KB2993651 がインストールされていると、残りの 3 つの更新プログラムも Windows Update で検出され、インストールできます。

なお、新しい MS14-045 (KB2993651) で改善されているのは適用後に起動できなくなる問題で、以下の他の既知の問題は依然として存在しています。特にエンタープライズ環境などで影響を受ける可能性がある所は、十分な検証をして適用の可否を決めてください。

    • 既知の問題 1
      このセキュリティ更新プログラムをインストールした後で、既定のフォント ディレクトリ (%windir%\fonts\) 以外の場所にインストールされたフォントがアクティブなセッションに読み込まれたときに変更できなくなります。これらのフォントを変更、置換、または削除しようとしてもブロックされ、ファイルが使用中であるというメッセージが表示されます。
    • 既知の問題 2
      この更新プログラムをインストールした後で、ウィンドウの z オーダーが変更されます (z オーダーは、SetWindowPos 関数と共に HWND_TOP パラメーターを呼び出します)。そのため、特定のアプリケーションのウィンドウが見えなくなったり、誤って他のウィンドウの背後に表示されたりすることがあります。
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